黒部川スキー横断 2013/3/23-25

山スキー

メンバー:S見K子 K池M美 M尾M

3/23 雪/晴れ
日向山ゲート4:15、扇沢6:00、針ノ木峠12:25-50、針の木本流14:30、黒部ダム16:30

信濃大町駅前に前泊、タクシーで日向山ゲートに向かう。道路は除雪されていて全く雪が無い。(昔、3月下旬、この道をワカンラッセルで歩いたことがある)靴を板に履かせてザックに付ける。バランスも悪く、ギックリ腰にならないように、気をつけて背負う。午後は晴れる予報だが、今はまだ、細かい雪が舞っている。

1時間も歩くと明るくなり、扇沢からはシールで歩く。林道を通り、堰堤を巻いて、針の木雪渓のド真ん中に降り立つ。相変わらず小雪が舞っていて視界が悪い。しかし、雪は安定しているようでホッとする。しばらく歩くと完全なホワイトアウトとなり、GPSを持たない私たちはコンパスで方向を確認して登る。ガスを抜けた先には3か所、巨大デブリが待ちかまえていて、その末端を回り込んで歩く。

今日の針の木岳山頂は風速25mとか。傾斜も風も徐々に強くなり、飛ばされて転げ落ちそうになるので、何度も耐風姿勢をとる。ストックはピッケルと違い、しっかり雪面に刺さってくれないので結構真剣にバランスをとる。針の木峠まであとわずかと言うところで、クトーでは心許なくなり、アイゼンに代える。安定した場所が無く、もっと早くに替えるべきだったと反省!

針の木峠に着くと風も弱まり、大休止がとれた。このところ、極端に登りに時間がかかるようになったM尾としては、この登りがクリア出来、ほんの少し黒部横断が見えてきた気がした。青空も出始め、正面に槍ヶ岳も。でも、槍も北鎌尾根もなんだか黒々している。まだ3月だと言うのにGWかと錯覚しそうだ。

ここから、針の木谷を黒部湖に下る。雪質が読めず、安全を期し、バックステップを含め、200mほどアイゼンで下る。いくらか傾斜の緩んだ窪地状でスキーを付ける。ところどころクラストしているがまあまあ快適に滑れる。2人はスイスイ滑っているが、ガリガリ音の嫌いなM尾は出来るだけ新雪部分を狙ってターンする。時々みんなで立ち止まり、上部のシュプールを眺めてはニンマリとする。このころには雲1つ無い碧空となり、午前中の風にめげていたM尾も、「頑張って良かった~!」と思いました。

谷が狭まった途端に沢が口を開けていて、いきなり、板を外しての歩きとなりました。滑って行ければ早いのに、何度も板を外したり、へつったりでやたら時間がかかります。本流との合流点で大休止。
気がつくと、下流に向かってうっすらとトレースが・・。どうやら昨日のM平さんのもののようです。
この先は傾斜も緩み、スイスイ滑って~、と思ったのに、谷を埋め尽くす巨大デブリが数か所!凸凹過ぎて最後は板を背負って歩きました。デブリランドが終わると昨日まで渡れたはずのスノーブリッジが崩壊していて右往左往!渡渉は黒部湖でのみ、と思っていたのにこんなところで、板を外して飛び石したり、渡渉したり。ついに、K池さん、滑って靴の中を濡らしてしまいました!陽が傾きかけた頃、やっと黒部湖が見えてきてホッとしました!

ここは“平の渡し”です。夏場は船で渡ります。でも、今はせせらぎと砂利と雪。対岸に渡るには3回の渡渉になりそう。波が立っていて、流れも強そうです。M浦さんから伝授されたネオプレーンの渡渉グッズに履き替え、水量の弱そうなところを探して少し上流に行ってみたりしましたが、あまり変わりせん。イチかバチかで突っ込もうとしたら、水が腰まで跳ね上がります。装備を濡らしたら大変!仕切り直して、浅そうなところを探し、水流に負けないように、慎重に、慎重に渡りました。1か所は膝くらい、あとは脛くらいでしたが死にそうに冷たかった~!
明日朝、渡渉をしなくても良い場所を探し、ヘッデン間際に何とかテントを設営、I井さんお手製のスモークチーズをつまみに、“お疲れ様でした!”

216682_225319964277851_1950674811_n

3/24 晴れ
黒部湖6:45 中ノ谷出合7:30 ゴルジュ上8:15 ザラ峠12:20 白岩堰堤17:50 (幕営)

2日目の朝。S見さん、M尾さんのシュラフは夏用なので夜寒かったそう。K池は冬用で寝汗を書いた。
割れ目の入った雪の壁をアイゼンで乗っこして、中ノ谷出会いへ。ゴルジュの幅は狭く、入口は八方からデブリ。アイゼンでさっさと通過。滝は出ておらず、ゴルジュ自体も短かった。その後は広々とした谷の真ん中をシール登高。ど真ん中を歩くようS見さんから何度か注意を受ける。刈安峠など見え、両岸を滑るのもいいなあと思う。ザラ峠まで来ると流石に風が強い。稜線はハイマツが出ており、湯川谷方面の上部は急だったので、アイゼンで200m ほど下ってから湯川谷滑走開始。新湯辺りまでは景色も雪質も最高だった。

その後はO介さんやM平さんの記録を参考に左岸を進んだ。刈込池を過ぎ支流を渡り、台地をつっきったが、全体に雪が少ない。台地から河川敷に下りる箇所では土が出て、スキーを外さなければならなかった。立山温泉跡辺りでとうとう雪が切れ沢は進めなくなった。林道に戻り作戦会議。もう17:00。有峰トンネルまで行こうとか砂防ダム工事の軌道に乗ろうとか話し合っている間にも陽が沈みそう。そのとき比較的新しいスキーのトレースを発見。前日のM平さんのトレースではないかということになり、望みを託してトレースを追うことに。すると無事天涯の湯の橋に到着。そのまま進んだが白石堰堤で時間切れ、テントを張った。こんなに天気良いのに予備日使うことになるとは。。。立山駅は遠い。まったり宴会しつつも、この先どの程度スキーで進めるのか不安を抱きつつ就寝。

予備日に突入。前日、出発までに2 時間かかったので3:30 に起床する。その気でテントを撤収したら5時には終わってしまった。まだ薄暗い。アイゼンを付け白岩堰堤左岸を下降、昨日は雪が緩んでぐちゃぐちゃだったが、早朝のせいで少しは締まっていた。M平さんのトレースはデブリに消え、途中で堰堤が顔を出している。下に見えていた橋につくと、この先スキーが使えそうだ。ワックスをばっちり塗りこむ。基本クロカン。天鳥トンネルに着いたとき、だいぶ目標の立山駅が近づいてきたなー。とホっとした。

天鳥トンネルはM浦さんがくぐっているような報告だったが、ちゃんと読んでいなかったので自信が持てず、またシュプールらしきものがトンネルを無視して進んでいたので堰堤の梯子を登り、横にトラバースして下に見える道に降りた。降りるのは簡単だったけど、後日のM平さんの報告によればトンネルは使えたようだ。ちょっと損した気分。
遠くに立山駅が見えてきた。もう雪がない。途中から板を担いでただひたすら立山駅を目指し歩いた。「あー、終わった」

156884_225317030944811_930066903_n

ぶなの会

ぶなの会

労山(日本勤労者山岳連盟)加盟 ぶなの会の公式HPです。

関連記事

特集記事

アーカイブ
TOP