剱残雪期合宿 Aパーティ 長次郎谷隊 2012/5/3-6

積雪期登山

●Aパーティ 長次郎谷隊
L A久、SL O畑、K口、T橋、A見

5/3(晴れ 無風)
7:30黒部ダム入山→ハシゴ谷乗っ越し→15:30真砂沢出合付近C1

5/4(晴れ、午後から時々雪と風)
4:00出発→長次郎谷→12:00剱岳頂上→別山尾根へエスケープ→17:00過ぎ剱山荘泊

5/5(曇り 強風)
長次郎谷出合へデポ品回収→昼前 剱沢BC

5/6(曇りのち雪 強風)
4:30出発→剱御前→雷鳥沢→8:00頃 室堂

5/3
朝から雨。停滞覚悟で扇沢から始発のトロリーバスに乗り、黒部ダムでDパーティと別れる。
予報に反し雨はあがり、行動に支障なし。
黒部川下降中、前方右岸岩壁の小ルンゼから土砂混じりの雪崩が落ちる。
雨で鉄砲水になった様子。以降は全員ヘルメットを被って行動する。
内蔵助谷に入っても雪が少なく、水は轟々と流れている。
雪の踏み抜きを警戒し、沢から離れ、ブッシュがうるさい斜面をトラバース気味に遡行する。

丸山東壁を見送り、内蔵助平に到達する頃には晴れ間が広がる。天気予報は完全にハズレ。

ハシゴ谷乗っ越しで丸山中央山稜や八ッ峰1峰を望み、そのスケールのデカさに全員のモチベーションが上がる。
ハシゴ谷乗っ越しの下降で懸垂2ピッチ後、真砂沢出合手前の台地に幕営。
翌日の為にトレースをつけておく。就寝前に雨が落ちる。

5/4
4時出発。雨は止みガスが八ッ峰の中腹より上部に掛かっている程度。
長次郎谷出合で福岡の知り合いT氏に会う。長次郎ピストンの予定なので、幕営用具一式をデポ。
(ビバーク装備は持つ)
長次郎谷に入ると左右側壁からのデブリ多数。
徐々に晴れ間も広がり、熊の岩までは順調に高度を稼ぐ。
左俣の入口は谷が狭まり、ここも浅いデブリ。
ここから300mの登りはカール地形の登高。
源次郎の2峰コルから尾根上を行く事も考えたが、そのまま谷に入る。
その後、ガスが出始め視界が30mほどとなる。

コンパスを振りながら進むが少し源次郎側に近づき過ぎた。コルまで150mというところで、側壁からの落雪による雪崩にあう。
湿気を含んだ雪がサーっと音を立て、表面をゆっくりと流れていく。
体を持っていかれるほどの規模はないけど気持が悪い。
ここは引き返すより早く抜けたほうが安全と先を急ぐ。
帰りは源次郎2峰まで尾根を下り長次郎へ復帰するか、別山尾根で考える。
コルが近づきホッとするが、稜線への上り込みはクラックが入りシュルンドが怖い。念のためロープを出す。
稜線に上がり、更にロープ。ゆるい雪壁1ピッチ、岩稜1ピッチで剱の肩へ。この頃から風が出始める。

12:00頂上着。視界50m。
景色は無いが貸切の剱岳ピークを満喫。
徐々に強風となり時折雪が混じる。
気温が高いので、グローブはすぐに濡れてしまう。
雪崩を警戒し遠回りだけど別山尾根からエスケープと決め、カニのヨコバイは鎖にセルフを取りながら通過。前剱の雪壁の下降では懸垂2ピッチとタイトロープでのコンテで慎重に下りる。安全優先でロープを多用した為、思いのほか時間が掛かる。
最後、一服剱からの下りでは強風で雪ツブテを食らい続け、全員ヘトヘト。
やっと思いで剱山荘に付いたのは17:00過ぎ。
疲労と濡れた装備を考えると、これから長次郎出合まで下ってテントを張るのはやめ、小屋に入った。

5/5
布団と2食付、装備も乾燥させゆっくりしっかり休養がとれた。剱沢のテン場は一張りも見えない。
Dパーティも悪天で雷鳥沢から動いてないのか?と思い、長次郎出合に向けて真っ直ぐ装備回収に下りる。

平蔵谷出合付近でT氏に再会。
昨日我々が荷物デポしたまま下りてこなかったので心配し、今朝剱沢まで上がりDパーティのテントに話をしてくれていたとの事。
(後で判ったが、小高い丘の死角にテン場がある。)
ほどなくS原さん、M浦さんが降りてきて我々の無事を確認。最初に剱山荘に走り我々が泊まった事を確認したので、遭難騒ぎは30分間だったらしい。スイマセン。荷物回収後、剱沢への登り返しでは、昨日よりも強烈な雪ツブテを受け耐風姿勢を何度もとる。
昼前にはT内さんが待つ剱沢へ到達。
12:50の交信で早月隊が登頂し、カニのヨコバイ付近を下降中であると確認。
17:00過ぎに3パーティ全てが剱沢に集中を果たす。

5/6
また天気が崩れる予報なので、4時半出発。
今朝も雷鳥の声。付近にツガイでいるのは愛らしいが、コイツが現れると天気も荒れる。
ガスの中、突風に耐えながら別山乗っ越しへ。
剱御前小屋で風待ち後、雷鳥沢へ今シーズン最後の雪山を目に焼き付けながら下降。
終始厳しいく、新人の皆さんはどう思ったか判らないけど、仲間と初志貫徹できた充実の山行となった。

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