甲斐駒ヶ岳 赤石沢奥壁 ダイヤモンドフランケA 赤蜘蛛ルート 2012/8/4-5

アルパイン(夏)

山域・ルート: 南アルプス 甲斐駒ケ岳赤石沢奥壁前衛壁ダイヤモンドフランケ A 赤蜘蛛ルート
期日:2012/8/4-5
メンバー L Y田S(記)、O田M彦

・8/4 竹宇駒ケ岳神社 5:00→刃渡り 7:40→八合岩小屋 10:45→赤蜘蛛取付き偵察 12:35→14:00 ごろ八合岩小屋(岩小屋泊)
・8/5 八合岩小屋 4:00→取付き 5:00→登攀開始 5:30→大テラス 9:00→9:40 六ピッチ目スタート→11:05 七ピッチ目スタート→13:30登攀終了(Aフランケの頭の岩小屋)→八合岩小屋 14:45 出発→竹宇駒ケ岳神社 18:00

○報告
去年から狙ってたこのルート、メンバーや日程の都合がつかなくてなかなか行けず。
今シーズンはGW明けにO田さんとチームを組み練習を重ねてようやく行けそう、と思ったら7月は天気が悪くて延期延期の繰り返し…で3度目の正直ならぬ計画書でようやく登れました。

8/4(土)
前日は鈍行電車で穴山駅まで行って軒下でごろ寝。虫もいなくて涼しく快適。
朝4:30に呼んだタクシーで登山口へ、5 時から黒戸尾根を登り始め、七丈の小屋でビールをひっかけ10:30 過ぎには八合目の岩小屋着。
この日は独占。暑くなる前に標高上げちゃう作戦はひとまず成功。
予定通りデポするガチャを担いでアプローチの偵察へ。
昨年のTV撮影の際につけられたと思われるピンクテープとFIXロープがかなり親切で、ほとんど迷わず取り付きにたどり着く。
最後の角を曲がると、ドッカーンという感じでAフランケのあの大岩壁が現れる。
上の方はガスに覆われて見えなかったがそれでも十分凄さを感じられた。

デポ品を置いて八合へ戻り、登山道脇にマットを敷いて宴会開始。
途中、今日中央稜に行ってきたという3人パーティが来てツェルト建てていた。
けっこう明るい時間から飲んでたので岩小屋に戻って早々に撃沈…。

8/5(日)
予定通り4時出発。
暗いので下見ん時は間違わなかったところで何度か道を間違えながらも取り付きへ。

1P (O田) 垂壁の人工ルート25m(A1)。2ピン目は事前情報通り遠かったがO田さんお手製のチョンボ棒で抜ける。この壁はけっこう立ってるので荷物多いと大変やろなぁ。

2P (Y田) コーナークラック 50m(Ⅴ)。核心1。フリーOSを狙っていたが力不足、何度かテンションやらA0を交え、時間をかけて登る。キャメ0.75-2くらいサイズが続く。カムとナッツ、残置も交えながら前進。トポの40mの支点を見過ごして50mんとこにあった支点まで登る。

3P (O田) クラック沿い25m(A1)。短いピッチになったがV字ハング下まで。

4P (Y田) ハング越え30m(Ⅳ、A1)。ハングを乗っ越したあとのフリーが悪かった。大テラス立ち木でビレイ。

5P (O田) 凹角からカンテ30m(Ⅴ)。事前情報ではⅡ-Ⅲ級との話もあったが11クライマーの感想かと。アブミ出したくなるところもあり。

6P (Y田) クラック沿いエイド40m(A1)。核心2。フィンガーサイズ?のクラック沿いにエイド。ボルトがところどころなくてカムかナッツで支点を作りながら進む。残置カムは3-4本あったかな。しびれる1本。ビレイ点も完全にハンギングで腰が痛くなる。ここらでガスに包まれ周りは真っ白となる。

7P (O田) カンテ越え~ボルトラダー40m(A1)。「恐竜カンテ」恐竜の背と言われれば確かにそうだ。その背中をまたぐ豪快ルート。

8P (Y田) スラブ状フェースと階段状岩場35m(Ⅲ、A1)。難しくなかったがルートを見誤ってロープが重くなり途中で切る。

9P (O田) 階段状岩場45m(Ⅲ)。藪っぽい岩場をひたすら直上するとAフランケ頭の岩小屋へ抜けた。

いやはや結構時間かかったけど雨にも降られず一安心。岩小屋で荷物をまとめて八合へ戻る。
その後登山口まで誰にも会わずひたすら駆け足で下山。
登山口から30分歩いて温泉に入った後はタクシーで駅に向かい、電車内で宴会しながら帰京。

○コメント・O田
待望のAフランケを登ってきた。
今を去ること20年ほど前の夏、Aフランケを登るべく大汗をかいて黒戸を上がった。
ようやく辿り着いた八合の岩小屋、丁寧にビニール袋に入っているメモが天井からぶら下がっている。ナニナニ? 何だろう??と目をこらすとそこに書いてあったのは忘れもしない次のようなこと。

「Aフランケの赤蜘蛛を登るクライマーの皆さんへ 恐竜カンテ手前のピッチに初登者が打ったアルミサッシハーケンは大方撤去しました。ここを登るにはカムなど2セット程度必要になるのでご注意ください。BY 鈴木昇○」
え~~~~、そっ、そっ、そんな、カム2セットなどありゃしません。
「○○のバカヤロー、登山口に書いとけよ!!」とぶーたれたのでありました。

ということで、積年20年のルートに今回、登れてよかったです。でも壁にノマレ気味だったかな。
とりわけ2ピッチ目は難しくA0しまくり状態になったので、もっとうまくなって余裕の状態で愉しく登りに行きたいです。

○コメント・Y田
なんとか宿題が終わったという安堵感と達成感。
でもけっきょくフリーのセクションでA0せんと登れなかった自分へのガッカリ感。
でも楽しかったな~憧れの壁を見れたし登れたし。遠いアプローチ歩いたのに1本しか登らんのももったいないよなぁ。ナッツ使った記録は少ないが意外と使えた。
次はもっとクラック練習していこう、しかし多少練習してもスーパー赤蜘蛛にはなかなか届かなさそう。
ビールわざわざ荷揚げしたのに飲むの忘れるってどーゆーことよ?(焼酎飲みすぎ)まぁおかげで下山前に祝杯あげられましたが。

O田さんに初めて赤蜘蛛の話をしたのは1年以上前。そのころは「いやまだ無理」とか言ってたO田さんでしたが、一緒にPUMP2で登り登攀力をつけ、じゃあ今年やるかってことで行くことに。
外ではGW明けに三つ峠、瑞牆大面岩左稜線、谷川南稜、マルトー緑、越バ…んなとこかな。今思えばもっとあれも練習しとけばこれもやっとけば…とかいろいろあるけど、まぁまた行けばいいだけやんね。
3ヶ月、いろいろ楽しかったですねぇ。また次もどっか目指しましょう。

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