劔岳 チンネ左稜線 2012年8/31(金)~9/2(日)

夏の合宿でチンネ登攀を目指したものの、天候に恵まれず断念せざるを得なかった。S原は昨年も2度トライして届かず、今回は4度目の正直を期して臨んだ。左稜線自体に加えて、アプローチの長さと難度が懸念材料だったが、登攀時は剱岳周辺に青空が広がり、絶好のクライミング日和となった。目の前に広がる裏剱の絶景に、剱岳のスケールの大きさと奥深さを改めて感じながら、元気なパートナーにも恵まれて会心のクライミングができた。

メンバー:L S原M、N野K里

8/31(金) 終日上空にガス、時々青空
前夜新宿発-扇沢駐車場泊
バスT始発700 -930室堂940-1140劔午前小屋1220劔沢-1400長次郎谷出合-1600熊の岩

長次郎谷雪渓は一部切れるも通過に問題なし。熊の岩で簡易テントを設営。雪解け水は豊富。
先行は1張のみ。北海道からBMC(バビシェ・マウンテン・クラブ)


9/1(土) 快晴時々霧、小雨
起床300-出発400-510池ノ谷乗越-550三ノ窓-625取付下-730登攀開始-1530終了-1630ガリー-1900熊の岩

長次郎谷上部は数か所雪渓が切れている。一部を八ツ峰側から巻き、最後は池ノ谷乗越へ雪渓を急登。
池ノ谷ガリーは、一度滑れば数百m落ちていきそうな暗いザレ場。明るい三ノ窓に抜けてほっとする。
右手にチンネのフェースがそびえる。50m程の急な雪渓を2回トラバースし、下方から取り付きに到達。
先行するBMCには初心者がおり、取り付きから1P目で手間取る。2P目で先行させてもらい、後は先頭で登る。


P1 III 15m S原 凹角から左上
P2 IV 40m N野 フェース直上
P3 III 20m S原 フェース
P4 III+ 20+20m S原 バンド~岩溝~垂直フェース
 岩溝を抜けてピナクルとフェースの間に出る。トポ通りの筈だが、濡れたワイドチムニーが難しい。
 グレードを考えると、一本左の浅いルンゼが正解だったかも。
P5 I 40m N野 草付きのナイフリッジ
P6 II 50m S原 リッジ 伸ばし過ぎ
P7 II 20m N野 リッジ凹角
P8 IV 50m S原 ピナクル群。最初は右から巻き、凹角から登る
P9 V 35m S原 リッジ~ハング左上~リッジ
 左稜線の核心。荷物を背負うと、ハング下を左上してから乗り越すムーブが厳しい。辛うじてフリーでクリア。岩質は安定しているが、1箇所だけ一抱えもある岩が浮いており、ひやりとする。
P10 III+ 20m N野 クラック~フェース
P11 III+ 25m S原 フェース
P12 III+ 25m N野 リッジ
P13 II 40m S原 リッジ~チンネの頭


後半に霧~小雨も混じるが、終了点ではまた青空が広がった。それぞれチンネの頭の尖塔に立ち記念撮影。
八ツ峰の頭との間のコルまで歩いて降り、右手の支点から懸垂2回で池ノ谷ガリーに降り立つ。
雪渓を慎重に下って熊の岩に着くと、テントが1張り増えていた。
BMCは暗くなってから帰着し、夕食も早々に下山していった。北海道へのフライトの都合とか。

9/2(日) 劔岳 快晴、一時小雨
起床400、撤収~出発600-745真砂沢ロッジ-950ハシゴ谷乗越-1135内蔵助平-1335内蔵助沢出合-1510黒部ダム-1550扇沢-帰京

長次郎谷を下り、出合以降は夏道を行く。ハシゴ谷登山道入り口は雪渓を横断して対岸を急登。しばらく悪路が続き、ハシゴ谷乗越手前が特に急で長い。20kg超のザックが重く、ペースが上がらない。内蔵助沢沿い(丸山北側)の道も標高差は小さいが、崩落個所が目立つ。最後の急坂を登り、ダムに辿りついた時には、脚が棒になっていた。

コメント:
夏合宿で行く予定だったチンネ左稜線、雨で泣く泣く関東でお留守番をしていたのに、、こんなに早くチャンスがめぐってくるとは思いませんでした。室道から熊の岩までの長いアプローチ、翌朝の取りつきまでの道のりと、自分の情報収集だけではまず、たどり着く事が出来なかったと思います。
登攀時はおおむね天気もよく、それほど難しい…と感じるところはなかったはずなのに、とても時間がかかってしまいました。テントへの帰路では、池ノ谷乗越からの雪渓下りがとても恐ろしく、バックステップでしか下れず、さらに時間のかかる原因となっていまいました 。
とても楽しい登攀をさせていただいたけど、私はまだここに来る事が出来るレベルに達していなかったのかもしれない、という気持ちもちょっぴりあります。
次にアルパインに行くときは、もっと自信を持っていけるようにがんばろう!と思った剱でした。
練習からずっとご一緒してくれたS原さん、ありがとうございました。(N野)