■メンバー

L A久T也、K玉T彦、S田S子

■タイム

●1日目(晴れのち曇り 時々雨)
8:00奥三面ダム-10:00三面小屋-14:00竹ノ沢出合-17:00スダマ沢出合付近

●2日目(晴れのち雨 ←夕方台風通過)
5:10出発-9:30中ノ俣沢出合-14:00ワカバ沢出

●3日目(晴れ)
7:10出発-15:00稜線(三方池)-16:30竜門小屋

●4日目(雨)
停滞 S山P合流

●5日目(雨のち曇り)
5:30竜門小屋出発-8:00日暮沢小屋-10:30大井沢温泉-寒河江-山形-帰京

 

■アプローチ

竹ノ沢のA久P、岩井又のS山Pとも同じ日程、同じ入山口だったので、東京から一緒に移動。出発直前までメンバー割りや日程でゴタゴタしていて切符を手配できず、ムーンライト越後は満席。その位では動じないセレブな我々は新幹線で一路新潟へ。7人での車中宴会は大人の遠足みたいで楽しい。新潟駅のコンビニで酒を買い込み2次会。そのままステビバへ突入。こんな都会で大丈夫か?と思ったけど、コンサート帰りの若者がたくさんビバークしていた。朝一の列車で村上、ジャンボタクシーで奥三面ダムまで移動。これでビールがあればまるで社員旅行。

予報では台風は東北を直撃。心配するK玉君とは対照的に、「きっと風台風だから大丈夫!」とS津さんの根拠ない(?)言葉を疑わず、予定通り朝日沢合宿が始まった。荒れるのは2日目の12日夜の模様。
ゴルジュが続く竹ノ沢での、増水に耐える安全なビバーク地は金掘沢と中ノ俣沢の出合付近、その先であればワカバ沢出合付近と読み、以下3点を事前プランニングする。

・   テンバは必ず相模尾根登山道がある左岸側に張る事

・   初日は飛ばし、2日目は昼過ぎにはビバーク体制に入る事

・   台風通過後は増水が引くまで半日から1日の停滞を見込んでおく事

■1日目(A久記)

三面小屋までの途中で岩井又に入るS山Pと竜門小屋での集中を約束し別れる。三面小屋までは一般登山道なので、クソ暑いのを除けば特に問題なし。小屋から先も地形図には道が伸びているが、踏み後程度。しかし、最近手入れされたみたいで、所々枝打ちされていて歩きやすい。暑さと寝不足に負け予定のキスケ沢まで行かず手前の沢からさっさと三面川本流へ降り入渓。

いきなりメジロの大歓迎を受ける。鬱陶しくて仕方ないので早々にネットをかぶっての行動となる。コレを持ってくるの忘れると大変だなぁ。でも例年に比べると全然少ない感じ。三面川は大きく穏やか。暑い中悪い斜面の踏み後を進むより、ジャブジャブ歩いた方が気持ち良い。途中、滝上部の大ガマをロープ出して泳いで渡る。

竹ノ沢出合に到着する頃、にわか雨がおちてきて小休止。休んでてもメジロが鬱陶しく、叩き落すので忙しくて全然休まらん。
計画ではここで幕だけど、時間はまだ早いし、すぐに雨もやんだので先に進む。竹ノ沢の入り口は思いのほか小さく、せせらぎのようで少々拍子抜けする。垂直に立つゴルジュも暗く陰鬱さはあるが、圧迫感はない。
いくつかの淵を泳ぎ、一箇所ロープを出して滝を巻き、17:00時頃にスダマ沢出合着。
もう少し進みたかったが、今日は寝不足だし明日も早いし、充分頑張ったという事で、増水の逃げ道を確認して左岸の砂地にタープを張る。

■2日目(K玉記)

台風が上陸するのは午後ということで、午前中が勝負になる。翌日以降の行動を考えると、最低でも金堀沢出合までは行っておきたい。金堀沢出合を過ぎるとワカバ沢出合まで行かないと幕場は無いだろう。そこまで予想したうえで4時起き5時発の早出に決める。

朝イチから飛び込み、泳ぎが始まる。水は案外冷たくない。この日は泳ぎまくる。左岸から右岸、右岸から左岸へと泳ぎながら壁をけって流れを横切る。水流の弱点を突いて泳ぐ。50m続く淵も、泳ぎまくる。
二人組みパーティーと遭遇。カッパにノーヘル。うち一人はスニーカーで地図を口にくわえたまま泳ぎも登りもこなすというスタイルに我々3人は唖然。この先、彼らとは抜きつ抜かれつのペースで進む。

7m滝。この滝は登れない。右の細い水流のクラックに取り付いてカム+アブミで越えようとするも、もう一手がない。そのうち2人組パーティーが追いついてきて、我々も一度は取り付いてあきらめた右手前の乾いた壁を空身で乗り越えて行った。その様子をまじまじと眺めた後、A久さんのショルダーでK玉が登る。登れるとわかれば登れるものだ。取り付けない滝は巻いて。白く泡立つ激流に突っ込んで滝に取り付くなど。
超難関ルートといわれる相模沢の出合を越え、9:30金堀沢出合に到着。進路は右、中ノ俣沢。ここから先は岩魚がいないという。温泉成分が流れ出しているからだそうだ。

2日目の最低ラインである金堀沢には着いたが。さて、天気は意外と持ちそう。時間も早いということもあり、次を目指す。泳ぎ、ヘツリは続く。
連瀑は後半直登できず右岸を巻く。ちょっと悪いので途中からロープを出して登る。2段の滝は下段は左岸水流近くを簡単に登る。続く上段10m。倒木がうまい具合に下段の滝落ち口にかかり、丸太橋状になっている。A久さんが橋を渡りフェースをリードする。

雨が強くなってきたころ、14:00ワカバ沢出合付近。目標地点まで到達。台風を避けるための安全な幕場は左岸のちょっと上がったところに簡単に見つかった。タープをドーム状に張り、風対策もOK。
虫はなぜかいない。台風を前に、虫たちも避難しているのだろうか。いよいよ雨が強くなり、川は水量を増し濁流となる。ラジオによると台風は18時頃、秋田に上陸したとの事。焚き火のできないタープ下で、濡れた衣服を全部取り換えてガスで暖をとる。

■3日目(S田記)

前日午後に台風の通過があったため増水を警戒していたが、その影響はほとんどなく、沢は平水に戻っていた。出発してすぐに三人オナカ沢の出合。本流の15m大滝は右側を巻く。藪の中で昨日の2人Pに出会う。水線に戻るとすぐに左側ハングの多段の滝。1段目のCS滝を越えて、2段目からK玉さん先頭で右の岩壁を進むが途中で行き詰まり下降、右を巻く。3段目以降は快適に登り、4段目は念のためにお助け紐。最終段は落ち口に近く、ヌメるので左を巻く。

台風通過の翌日とは思えない水量の少なさに、3~4m程度の滝は水線真横を登る、楽しい遡行。その後の20m、25mの滝は高巻く。水線に戻るルンゼで滑る。巻きのルーファイ、全然わからん。高度は随分上がっているはずだが、小さいながらも滝があり、小さな深みもあったりしてなかなか楽しい。源頭はまだか?という感じ。最後の7m滝では上部のカンテをA久さんが空身でリード。後続も荷揚げし、空身でクリア。そのままブッシュをワンポイントで巻く。

きれいな斜瀑を過ぎるとさすがに源頭の様相。ナメ滝が現れ、両岸は草原に覆われる。8月中旬にも関わらず、可憐な花々(名前は知らない)が残り、一瞬の台風一過か、まぶしい夏の青空がのぞく。美しい源頭の景色の中をニヤニヤしながら登っていくと、なんだか変な地形。水量のかなり減った二俣、右は大岩から飛沫のような滝が流れ落ち、左のほうが沢床の低い谷地形だが水量は少ない。変だなとは思いつつ、セオリー通りに左を選ぶと水はすぐに枯れてしまった。地形の謎を解くべく、「なんで今さら」と思いつつも大岩に取り付く。大岩の上には上流からのナメ床がつながっており、やはりこちらが本流のよう。そのまま水線を詰めると源流は大きな雪渓だった。雪渓に沿うように左を登ると、すんなり三方池に詰めあがった。わーお、ゴールだぜ!

三方池から登山道へは明確な踏み跡。そのまま北寒江山へ向かい、寒江山を経て竜門小屋へ。朝日の稜線、たおやかで美しい。天気も崩れず、弥さんPが詰める予定の中俣沢もくっきり見渡せる。夜から強風、降雨。

■4日目(A久記)

台風一過と疑わず、本当は午前中に大朝日岳までピストンするつもりだった。ところが昨夜からの雨は止むどころか激しさを増し、沢の中で迎えた台風の時よりも雨風が小屋の屋根を叩く。こんな天気でも縦走登山者は早朝から出発していき、小屋は我々のみになる。
ノンビリと濡れた装備を広げ、暇になったので小屋の掃除をして時間を潰す。昨日のうちに沢を抜け、青空の下稜線を歩けて本当に良かったという思いと、この大雨で厳しい局面にいるであろう弥Pを案じる気持ちが交錯する。初日から無線機の調子が悪く、これまで一度も交信が出来ていない。小屋の無線を借りて定時交信を試みるも応答なし。

正午過ぎ、ずぶ濡れになった見覚えのある顔が小屋に入ってきた。おぉ!岩井又のメンバーが続々と小屋に登場。感動の再会!! お疲れ様。小池さんも廣光君もいい顔している。嶋津さんは相変わらず楽しそうでヤカマシイ。百戦錬磨の弥君も一仕事終えたって感じ。
全員揃って一安心。台風はどうやってかわしたとか、S山Pは増水とか変な格好でビバークして大変だったとか、A久Pの詰めはお天気サイコーだったとか、実は2Pとも無線機が壊れて連絡できなかったとか、話は尽きない。残りの食糧と酒で祝杯を挙げ、お互いの健闘を讃えた。

 

■5日目(A久記)

大雨の中下山。日暮沢小屋先、林道にてロープを出すマジ渡渉あり。大井沢温泉まで歩いて下山完了。