2009年11月21日(土)~23日(月)
南岳西尾根~槍ヶ岳縦走
※南岳西尾根2730m敗退

◆ メンバー
M中K哉(L)、K池M美

◆ 行動記録
11/21
0820 新穂高BT
1320 槍平小屋
1420 2135南岳西尾根取り付き
1630 2200BP

11/22
0810 2200BP
1040 2500尾根上
1200 2730風除けの大岩
1220 下山開始
1435 槍平小屋

11/23
0920 槍平小屋
1300 新穂高BT

◆ 感想
11/21(小雪)
尾根末端はまだヤブがうるさいだろうと夏道を利用して南沢を渡り尾根そばへ。
夏道を見失うも、わかりやすーい小ルンゼが目の前にある。所要30分と判断して取り付く。
そしてその判断はまったくの間違いでした。

胸まであるパウダーなのに根雪がないので足が地面についてしまう。そして足は毎度の凍った草付き&外斜岩。
バラエティー番組の如く発泡スチロールの海を泳いでいるみたいでまったく進みません。
雪を嫌って側壁にしがみついたK池さんは外斜岩でセミになって動かない。
「M、M中さん…。転げ落ちるかもしれません」
「あっ、いいよ。ふり出しに戻るだけだから」
あと20m。というか日没まで20分!

前爪を草つきにけりこみ、外斜岩でミシンを踏み(腰から下は雪の中。どんなところに立ち込んでいるかはわかりませんが)一歩一歩なんかわけのわからん言葉を発しながら、尾根にたどり着いた。

11/22(快晴-曇り-大雪)
テントの薄明るさで目を覚ます。
「えっ、明るい?」ong>ガーン!5:58分。
10時間も寝とったんか、俺!
万が一のことを考えてバッテリー温存のために携帯の電源を切っていた。腕時計のアラームだけだったのだ。

またラッセルから始まる。高度100mで50分かかる。
時間がないからデルタ状岩壁は基部を捲いてしまおう。
2600mあたり樹林帯を越えると穂高が姿をあらわす。
中岳からジャンダルムまでの大伽藍、最高。
飛騨風が強くなる。ここからが本番だ。でも嫌だな・・・。
風が強いのに雲がまったく動かない。
・・・そして一気に空が雲に覆われた。

2700m。風を避けるために先にある大岩に身を寄せる。
12時か・・・。小屋までは14時ってとこか。
暗い空のもと、南岳が飛騨風を纏って我々を威圧してくる。
15分間で2度気温が下がる。

ちょっと考えて…敗退決定。

たぶん、主稜線に出て翌日帰ってこれたと思う。
また、敗退する理由も細かいことはいくらでも思いつくし考えた。
吹雪の中、行動の遅れがあせりをうんでパートナーとの歩調を乱したり責任をなすったりして最善手を見失っていくような感じ・・・。

でも、まぁ、本音の理由はひとつ。
暗い空のなか飛騨風がとぐろを捲く南岳を見上げたとき、あまりに雄大すぎて怖かったのだ。
一歩進んだらどんどん引き返せなくなっていく感じですね。
相手の世界に入っていく・・・。

槍穂は日本の山のなかでも第一級の山ノ神がおはしますところ。
寝坊したうえになんとか南岳は行ってきました、エヘン!
なんて勘違いしていると近いうちに必ず死ぬ。
きちんと準備をして、寝坊なんてもってのほか山を畏れてのぼらさせてもらわなきゃ。
なーんて、南岳をみて思った次第です。

11/23(快晴)
翌日は大快晴。
夜の大雪でさらに輝きを増した白銀のアルプスに後ろ髪を引かれながら林道を歩いた。